メゾ科学とは? メゾ制御とは?
1. メゾスケールとは、5-100nmを中心とする大きさです(別の便利な定義としては、3-300nmというのもよく使われます。ナノより大きく、ミクロンより小さいという意味です)。
2. ナノ科学は、0.1-数nm程度の大きさのユニットの構造と働きを明らかにしてきました。
3. ナノユニットが集まってメゾシステムを作ります。 このような、ナノユニットが集まったり、散らばったりして作る、メゾスケールの動的システムの科学がメゾ科学です。
4. サイズが小さいので、実は、メゾシステムを構成するナノユニットの数は少ないと考えられます。3個から1000個程度と考えて下さい。
そうすると、
→ 統計力学での記述が難しい
→ バラツキが大きい
→ 時間的揺らぎが大きい
のですが、メゾシステムでは、これらの普通に考えたら困るような系の性質を利用 して働いているかもしれないのです。
何だか面白い世界が開けてそうだと思いませんか?
一方、メゾサイズになると、量子力学で全部解くには、複雑すぎます。実際的ではありません。
5. また、メゾシステムがはたらく仕組みと構築する仕組みを理解することは、人工システムの微細化のためには避けては通れない問題です。シリコン基板上での微細化は重要ですが、全く異なった設計の指針も必要になってきます。ですから、メゾ制御は、次世代のための基盤的イノベーションとして、どうしても発展させたいのです。
6. すなわち、ナノテクノロジーを超えて、メゾテクノロジーを産む必要があるのです。この部分で、私たちは世界をリードしたいと考えています。
7. 実は、細胞は、このようなメゾ制御を進化の過程で編み出して、細胞が働けるようにしてきたのです。それで、細胞のおこなうメゾ制御を学び、真似ることも重要です。
8. 人工メゾ構造体と、細胞のメゾ構造体の相互作用から生まれるメゾ制御に道筋をつけることも、アイセムスの重要課題です。これによって、将来の再生医療などにも、大きく貢献できると考えています。